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トダナノオク
別にそれほど良いものでもないし、どうしても欲しいものじゃなく……戸棚の奥に残ってたお菓子のような、そんなスタンスの漫画やイラストを。

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二次ですよ~

 さて、春麗な季節になりましたね。北海道はまだ冬ですが。
 はるうららって書いたらチュンリーになるんですね。今気づきました。

 この度は東方の二次小説『東方密室(ひそかむろ)』が完成いたしましたので、早速ブログに掲載しよう、と。
 長いので、続きを読むに収納します。
 しるえ、ありがとうねー

『東方密室(とうほうひそかむろ)』

序 

「ちゅう、ちゅう、たこ、かいな……」
 手にした大鎌に頬杖をついたまま、小野塚小町は眉間に皺寄せながら指を折り続けた。嫌な予感は指一つ折るごと、確信へと変わってい

く。そして、気の遠くなるほど指を折り開いた末に、小町はゆるゆると顔を上げ呟いた。
「やっぱり一人たんないねぇ……」
 彼岸に群がる霊魂を眺めている内に小町は、ふと気付いたのだ。どうも一人足りないと。とは言え、彼女の仕事は行き場を失った霊魂を

ただ眺めていれば良いというものではない。三途の川の水先案内人の二つ名からも分かるように、霊魂を四季映姫の元に運ぶことこそ小町

の職務である。あまりにもサボり過ぎて、どちらが仕事かたまに彼女自身分からなくなることもままあるが、そんな時には映
姫に勺で殴られることで辛うじて本職を思い出すのだ。
 そんな小町だから、無数に飛び交う霊魂の数の変化に気付いただけでも大したものだ……などというのは、本人の逃げ口上に過ぎない。

そもそも彼女が勺で小突かれる前にせっせと仕事に励んでいればこんなにも霊魂が停滞することもないのだが、それはそれ。自分に都合の

悪いことは右から左、カラッと忘れてしまう彼女は良くも悪くも江戸っ子気質であった。
「こりゃあ参ったね。もし映姫様に知れたりすれば……」
 考えただけでもゾッとしない。勺で殴られながら説教される自分の姿が小町には容易に想像出来た。容易も容易、いつもの光景である。

しかし日常茶飯事だからと言って、平気という訳でもない。そう毎日と折檻と説教を食らえばコブも出来るし耳にはタコだ。
 よし……小町はひとしきり頷くと決心したように立上がり、そして、
「映姫様にはナイショにしとこう」
 例え地獄の閻魔様と言えど、彼岸に止どまる霊魂の一人ひとりまで把握している訳ではない。なに、黙っていればお釈迦様も気付くまて

……やや、お釈迦じゃなくて閻魔様であったか……などとほくそ笑む小町もまた気付くまい。その背後から一部始終に耳を澄ましていた四

季映姫が結構マジな顔をして勺を握り直したことを……
「きゃん!」

「……そう、貴女は大体にして日頃から職務に対する勤勉さというものが欠如し
ているから……」
 白黒はっきりさせる程度の能力は伊達ではない。自らの不祥事を見過ごそうと企てた小町は誰の目から見ても黒であり、それがヤマ・ザ

ナドゥであれば尚のことである。勺の雨あられは止んだものの、収まりつかぬ映姫の怒りは言葉となって小町に降り注ぐ。もうかれこれ一

時間は経つのではないか?  聞くふりもここまでになると疲れて来るものだと、小町が映姫の目を盗んで欠伸を一つした時、
「……ところで、小町」
「え! あ、はい、なんでしょ映姫様」
「……貴女、今あくびしようとしたでしょ?」
「い、いえ! 滅相もありゃしませんよ、映姫様」
「嘘を言いなさい。私は見ましたよ……」
「そ、それより映姫様! さっき何かあたいに聞こうとしてなかったですかね?

「む……」
 新たな説教の火種をもみ消された映姫は一瞬ムッとしたものの、すぐに気を取り直すと咳払いを一つ、
「小町。貴女、いなくなった霊魂の素姓は分かっているんですか?」
「そりゃ、もちろんですよ!」
 ここぞとばかりに挙手をした小町は名誉挽回とばかりに捲し立てる。
「映姫様、いなくなった霊魂はカンダタってやつですよ。確か、火事場泥棒を生業にしてたっていう救いようのないロクデナシですよ」
「カンダタね……」
 不意に説教も止み、小町はこそ泥一人くらいいなくなったところで何も困りゃしませんと一気に畳み掛けようとするが、そんな小賢しい

やり口が地獄の閻魔に通じる訳もなく、一発余分に勺が小町にふり下ろされた。だが、「きゃん!」と可愛らしく悲鳴を上げる小町など上

の空で、映姫はうむむと腕を組んだ。
「何か……良くないことが起こらなければいいんですけどね」
「大丈夫ですって、映姫様。死んだこそ泥に何が出来ますか?」
「……貴女は反省が足りませんね」
 小町に更なる猛省を促すべく勺を握り直した映姫はあるものに気付いた――
「……蜘蛛」
「へ?」
 頭を抱えて目を閉じていた小町も恐る恐る目を開くと、確かにそこには一匹の蜘蛛が見て取れた。ちょこまかと動き回る蜘蛛が……
「どうして、こんなところに蜘蛛が……」
 だがこの時、いぶかしむことこそすれ、それ以上考えもしなかった映姫にも、
「きっと迷子かなんかですよ」などと脳天気な感想を漏らす小町にも、蜘蛛がスラリと伸ばした糸の先に事件の影が蠢いていることなど見

当も及ばなかったのである……
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プロフィール

F田

Author:F田
出生:19XX年 3月23日
北海道・札幌の南方に寄生している学生。
友達やら漫画やらに感化されやすく、東方もその口だったりする(アイコンもまさにソレ)

もっぱら絵を描く事が生きがいなのだが、剣道部員だったのに腕が弱く、すぐに腱鞘炎になるのが悩みの種

メールアドレスですよ
tenkahubu800(´・ω・)yahoo.co.jp
(´・ω・)を@に変えてくださいな。

当たり前ですが、リンクフリーです。勝手にやっちゃってください。でも、連絡をくれたら助かります。

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